北海道銀行RECRUITING

農業法人
OMEGAファーマーズ」(出資および経営支援プロジェクト)PROJECT STORY 01

農業支援と6次産業化で
士別市の地域活性化を目指す

SCROLL

OUTLINE

北海道銀行では、2019年7月18日に農業法人「合同会社OMEGAファーマーズ」を士別市の地元農家と立ち上げ、農業経営に参画しました。植物油の原料生産・搾油加工・販売までの6次産業化を通じて、担い手不足や耕作放棄地発生への対応、高付加価値化など、農業界の課題解決に向けたビジネスモデルの構築にチャレンジしています。

商品化した食用油は、北海道の「北のハイグレード食品」に選定(※亜麻仁油)されており、廃校を搾油工場として活用することで地域活性化にも貢献しています。

PROJECT MEMBER

名久井伸也

株式会社HAL GREENへ出向中
コンサルティング営業部付

旭川市出身。地元の金融機関に勤める両親の背中を追い、金融業界を志す。入行10年目にアグリビジネス科へ配属されたことから、農業振興に従事することに。他社と関わることも多く、人と人のつながりを大切にしている。

01銀行業一筋だった私が
会社設立を担当することに。

2018年2月。道北エリアの農業生産者4名から、地域で生産されていたオメガ系作物を活用した6次産業化の相談をいただき、このプロジェクトは始まりました。

私は当時、農作業の現場を学ぶため「有限会社余湖農園」へ出向していたため、別の担当部長が中心となりディスカッションを重ね、プロジェクトの骨子が固まっていきました。「士別市武徳町の小学校跡地を利用して工場を設立すること」「生産者が自ら生産・搾油・販売するビジネスに取り組むこと」そして「生産者のみならず、北海道銀行も出資して共同事業会社を立ち上げること」。この3つを柱として、まずは会社設立に向けて動き出したのです。

その後私がこの「共同事業会社」設立・運営の担当者となったのは、2019年4月のことです。私は社会人となってから銀行業一筋でしたので、会社を設立した経験もなければ、食品の開発・企画に携わったこともなく、モノづくりをしたこともありません。いわゆる「わからないことが何なのかわからない」という状態です。それでも1年以内に商品を販売開始するという目標があったため、必死になって書籍などで勉強し、地域や関係者の元へ飛び込むという日々が続きました。少しずつ専門用語などの理解も、周囲との関係性も深めながら、会社設立に至ったのは担当となってからひと月後の2019年5月。まず手続きを進めるために会社を登記したという状態であったため、2019年7月に「合同会社OMEGAファーマーズ」と社名を変更し、これが現在に続く法人の形となっています。

02正解のない商品開発に
試行錯誤を繰り返す日々。

2020年3月には、小学校跡地を活用した工場が竣工しました。そこからは商品開発と向き合うことになりますが、商品の開発プロセスもとにかく手探りで進んでいきました。生産者はもともとオメガ系オイルを生産していたプロですが、加工(搾油)の経験はなかったのです。外部専門家の指導を仰ぎながら、とにかくトライ&エラーの繰り返し。特に難しいのは、食品には「正解がない」ということです。味や香りはこの状態でいいのか?どこまで突き詰めていくのが正しいのか?というのは自分たちで判断するしかありません。

商品を世の中に出してから気がつくことも多くあります。オイルはデリケートな商品なので、光を遮るビンに封入するのですが、遮光性の高いビンは通常のものと比べコストが高い。こうしたバランスがどうかという判断もあります。また、原料となる作物の質は、季節によっても年によっても変化します。自然本来の原料を生かした商品ですから、ワインのように毎年仕上がりが変わるのです。こうした難しい条件に試行錯誤を重ねながら、ようやく納得のいく商品を完成させ、2020年7月に自社ブランド「OilDO(オイルドゥ)」を立ち上げることができました。

そもそも私たちがオメガ系オイルを商品化しようと判断した理由は、当時の市場背景にあります。搾油作物の原料は同じ地域の農家さんでもゼロか100か、というほどに収量が安定しづらいもの。そのため国内の生産量は少なく、特にオメガ3系の搾油作物原料は90%以上が外国産を占めています。ですから「国産」あるいは「北海道産」の原料は優位性が極めて高いのです。私たちはこうした背景も踏まえ、協働生産という安定供給の体制と、北海道産という強みを持って販売を開始していきました。

03一から作り上げた商品を
認めてもらえた達成感。

それまで苦労を重ねてきた分、商品が売れた時や、百貨店などのバイヤーさんから認められた時は特に嬉しかったです。会社設立にあたって専門用語などの壁にぶつかりましたが、同様のことが各バイヤーさんとの間でもありました。机上で勉強をしていったことも、実際に話してみると取り繕った知識は見抜かれてしまう。「そんなことも知らないのか」と言われたり、苦い経験をしたこともあります。それでもいただいた宿題を持ち帰って、商品を改善する。来なくていいと言われても、提案を繰り返す。そうしてようやく試してみよう、と発注を決めていただくこともありました。

東京の百貨店さんで扱っていただけることは商品の信頼につながります。そうした足がかりも得ることができ、他現在では札幌のどさんこプラザ、地元士別の道の駅やこだわりのお店などで、幅広く取り扱っていただくことができています。

このプロジェクトに関わったことで、これまでの銀行員としての目線とは違った場所から物事を見聞きしたり判断するという経験ができ、この年齢ながら自身の成長を実感しました。特にみんなで一から作り上げたものが売れた、世の中に認めてもらえたという体験は、何とも言えない達成感を覚えたものです。

現在でも月の3分の2ほどは士別市に通いながら、商品の改良や販売拡大の取り組みを続けています。新型コロナウイルスの営業で全国の物産展などが中止になってしまったため、そうしたプロモーションは今後力を入れていきたい部分ですね。

04地域に根ざした企業として、
永くつづくビジネスを。

このプロジェクトには、地域に「循環型農業」を根付かせるという目的もあります。OMEGAファーマーズの商品は、熱をかけずに搾油する「低温圧搾法」を用いています。この手法で搾油原料から抽出できるオイルは3割程度。残りの7割は油粕となるため、肥料・飼料・食品など様々な用途に活用すべく、商品化を計画しています。捨てるところをなくし、作物を余すことなく役立てようという試みです。

このほか、地元で生産されたものを地元で消費する、いわゆる「地産地消」の取り組みも行っています。最近では、OMEGAファーマーズのオイルが士別市の学校給食に期間限定で採用されるなど、地元の食育活動にも貢献しています。士別と言えば「羊のまち」として有名ですが、「オイルのまち」とも言ってもらえるように、地元にとって大きな存在になれたらと思っています。

循環型農業を続ける上では、地域に根ざした営利企業としての基盤をしっかりと確立することも大切です。「6次産業化」という言葉は響きがいいですが、全国的にチャレンジの事例は多数あるものの、成功したという商品は正直多くありません。

素材や味にこだわったところで、利益を生み出せなければ会社は続かない。それでは社員にも地域にも迷惑をかけてしまいます。質よりも安さを重視する、というユーザーも実際は多いですから、美しいストーリーをつくっても伝わらなければ意味がありません。納得してもらい、手に取ってもらう。ビジネスとして成立するための付加価値づくりを、これからも目指していきたいと考えています。

Project Storyプロジェクトストーリー

農業法人
OMEGAファーマーズ」

OMEGA

北海道銀行では、2019年7月18日に農業法人「合同会社OMEGAファーマーズ」を士別市の地元農家と立ち上げ、農業経営に参画しました。

VIEW MORE

スタートアップ 発掘・支援

スタートアップ

「北海道ベンチャーキャピタル」と連携し、新たな技術やサービスの立ち上げ・成長・拡大を支援することで、北海道の地域経済へ貢献しています。

VIEW MORE